「障がい」はどう書かれていたか:『太陽コーパス』による調査†
「碍」の追加希望は20件。「障害」は戦前は「障碍」などと書いたが、「碍」が当用漢字にならなかった戦後、「障害」への書きかえが定着した。しかし近年、「害」は負のイメージが強いとして、行政文書などで「障がい」と表記する自治体が相次いでいる。
ひとまず『日本国語大辞典』(第2版)で調べてみる†
- しょう‐がい【障害・障碍・障礙】
- ①さまたげをすること。じゃまをすること。また、そのさまたげとなるも
の。さわり。しょうげ。
- 「障碍」の初例 蛻巖先生答問書〔1751~64か〕
- 「障礙」の初例 会社弁〈福地桜痴〉叙(1871)〈渋沢栄一〉
- 「障害」の初例 布令字弁〔1868~72〕〈知足蹄原子〉
- ②精神や身体の器官がなんらかの原因でその機能を果たさないこと。また、その状態。
太陽コーパスで調べる†
その他†
日国②のはっきりした用例†
(日国②の初出例よりかなり古い例が見つかる)
- 「障害」
- 『太陽』1901年9号「胃病と自転車」吉田生(抄訳);フュールブリシゲル
- 「障碍」
- 『太陽』1925年1号「輓近に於ける食餌療法の進歩」高田蒔
- 内分泌腺の機能障碍と新陳代謝病との關係(p.102) ほか7例
- 『太陽』1925年1号「内分泌学説の歴史的回顧」永井潜
青空文庫 - Himawari2009GW版†
『新潮文庫の100冊 明治の文豪』†
〔参考〕『太陽』より古い例†
- 青空文庫などのテキストでは(底本の段階で)表記が改められてしまっている可能性がある
- 「障礙(障碍)」には、呉音で「しょうげ」と読む仏教語の用例が紛れている可能性もある
リンク:詳しい調査の例†
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